サウナで握手した話

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少し前のお話

今年はオリンピックイヤーでしたね

僕はパリオリンピックの開会式を塩サウナで見ていました

この時入っていた塩サウナは、塩サウナにしては少し温度が高めで

いつもはテレビがあっても下を向いて見ないのですが、さすがにパリ五輪の開会式をやっていたので

なにげなく見ながら入っていました

たくさんのアスリートや有名人が出てきて聖火を渡していき

まるでジャンヌダルクのような銀色の鎧をまとった人物が、セーヌ川をこれまたキラキラした馬の形をした船で渡っていく場面になりました

セーヌ川の先には、エッフェル塔、あの有名なエッフェル塔だ、これはこのジャンヌダルクがエッフェル塔にいって開会式は終わるのだ

そう思って、2度目くらいの水風呂を求めて塩サウナを後にしました

帰ってきたら、はたして、まだ、ジャンヌダルクが川を渡っていました

「ひっぱるなぁ」と思いながら、もう1セットサウナと水風呂を経たくらいに

ジャンヌダルクはついに陸地に降り立ち、各国の旗を掲げた旗手たちを順番に引き連れて、めちゃくちゃかっこいよくエッフェル塔に向かっていきました

これは、熱すぎる、少し前にコテンラジオでジャンヌダルク回を聞いていた僕は

その象徴的で神聖なシーンに心を奪われて、普段よりも長くサウナに入っていました

そして、エッフェル塔につき、聖火がエッフェル塔にどう影響するのか?というとき

派手な光の演出とダンスがはじまったのですが、

なんと、聖火はエッフェル塔には到達せず、あろうことかセーヌ川のほうに逆戻り

有名なオリンピアンの手に携えられて、なんと、セーヌ川を船で戻っていきます

「ええええええ」心の中で思いながら頭を抱えたとき、全く同じタイミングで隣のお兄さんが頭を抱えました

このとき、顔を見合わせる必要もなく僕たちの心は通じ合っていました

塩サウナにしては、まぁまぁ熱いサウナです

このあと、お互い4.5セットを経て、30分以上の時間を僕たちは開会式が終わるまでの時間を共有しました

最後の最後、難病のセリーヌディオンが、愛の賛歌を歌ったとき

美輪明宏のファンである僕は涙目になっていましたが、彼はそうでもないようでした

そして、ついに開会式が終わりをむかえ、意外なほどあっさりとした終わりのアナウンスが流れたとき

僕たちは水風呂の前で、固く、固く握手をしました

「長かった、本当に、長い長い闘いだった」

サウナの会話、僕は人のサウナの会話を聞くのは結構好きですが

多分水風呂の前で握手するのは、人生で最初で最後だと思います

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ABOUTこの記事をかいた人

四万十町在住パフォーマー 大学卒業後製紙会社に勤めていたが、移住を機に地域に根を張るパフォーマーとして生きていくことを決意。 2018年現在地域おこし協力隊として働きながらパフォーマーとして生きていいく道を模索中。 詳しいプロフィールや出演依頼などはメニューから各項目を参照ください。