又吉直樹「火花」のセリフに心臓をギュっとされた

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久々に小説を読んだ

又吉直樹「火花」

話題になった本を今頃読む

火花といえば、芸人が書いたはつの「純文学作品」として注目を浴びて

実際に芥川賞を取ったことで更に話題になって、すぐにドラマ化

そのうち映画が上映されるらしい、最近の小説では文句なしに一番の話題作だった

僕はお笑いコンビでネタを書いている方の、基本根暗な芸人が大好きなので

この本の著者の又吉直樹も昔から大好きなんだけど

それが好きだとしても流行っていると意地でも触れないようにするひねくれ者なので

話題になっている時には手を伸ばさなかった

きっかけはOKAMOTO`S「BROTHER」

ただ、話題になった時からずっと気になってはいて

さらにドラマ化された時に幾度となくyoutubeのCMで流れていた主題歌に魅了されていた

youtubeから流れてくるCMはだいたい飛ばす僕だけど、火花のCMは魅力的だったので結構最後まで見ていた

それが昨日youtubeで僕の好きなメタルバンドの動画を漁っている時に

偶然予測動画にこの主題歌のPVが表示されて聞いてみて、やっぱりいい感じの曲だと思って

「そろそろほとぼりも醒めた頃だろう」ということで本屋に行ってハードカバーを買ってきた

正統派ビルドゥングスロマン

結構のんびり読んだんだけどそれでも3時間半くらいで読めた

火花は話題になった時に「これは純文学か?」という類いの話をたくさん見たような気がするけど

正統派の現代小説だと思う

僕は上記のドラマのCMのイメージから有川浩ぐらいの

文学小説とラノベの間くらいの、軽めの文体と少々大げさなストーリーで感動を煽るようなのを想像していたんだけど

そんなことはなかった

あくまで落ち着いた文章で主人公の葛藤や焦燥を表現しながら、ストーリー全体としては主人公の心の成長を描く

正統派ビルドゥングスロマンだ、僕は少しだけ村上春樹のノルウェイの森を思い出した

心臓をギュっとされる

ビルドゥングスロマンはある面では、主人公の成長を描きながら

そこに現れる世の中への至言が入ってくるのが醍醐味でもあって

押井守の映画に見られる引用は多くががビルドゥングスロマンからの引用だったりするんだけど

火花のセリフの中にもそれがあって、僕はそれに心臓をギュっとされる思いがした

僕は押井守の大ファンなので、それの真似をして引用してこの記事を終わろうと思う

 

 

「平凡かどうかだけで判断すると、非凡アピール大会になり下がってしまわへんか? ほんで、反対に新しいものを端から否定すると、技術アピール大会になり下がってしまわへんか? ほんで両方を上手く混ぜてるものだけをよしとするとバランス大会になり下がってしまわへんか?」

(又吉直樹 火花 より)

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ABOUTこの記事をかいた人

四万十町在住パフォーマー 大学卒業後製紙会社に勤めていたが、移住を機に地域に根を張るパフォーマーとして生きていくことを決意。 2018年現在地域おこし協力隊として働きながらパフォーマーとして生きていいく道を模索中。 詳しいプロフィールや出演依頼などはメニューから各項目を参照ください。