僕が今ルノーの車に乗っている訳ー内燃機関が亡くなる前にー

スポンサーリンク

「僕は趣味でルノーの車に乗っている」

そんなことを言うと、僕に実際にあったことがある人はびっくりするかもしれない

僕は「趣味は車」なんていうおじさんは基本的に嫌いだ

押井守が著書「凡人として生きるということ」で以下のように書いているが

そもそも、「趣味は車」などというオヤジの実体は、ローンを組んで外車を買ったとか、シートを変えたとか、しょせんその程度のことだろう。趣味といっても、車は単なる工業製品に過ぎない。欧州車を選ぼうが、中古のアメリカ車に乗ろうが、国産のハイブリッド車だろうが、それはセンスや個性とは何ら関係ないことなのだ。

(押井守 「凡人として生きるということ」)

僕は押井守の意見に大賛成で、そんなことで趣味というのは

いかにも社会から搾取されている未成熟なオヤジだと思う

[amazonjs asin=”4344980891″ locale=”JP” tmpl=”Small” title=”凡人として生きるということ (幻冬舎新書)”]

しかし、それでも僕が「趣味で車に乗っている」と言うのは

僕の乗っているルノーカングーが、内燃機関を積んだMT仕様フランス車だからだ

内燃機関とは?

内燃機関というのは、車で言えばいわゆるガソリンエンジンのことだ

燃料を燃やしてピストンを上下に動かす機関

ごくごく大雑把に言えば、車はこの上下運動を車輪の回転運動に変えることで走っている

元々車はこの方式しかなかったのだが、最近は電気でモーターを回して直接回転運動を得る電気自動車が出てきたので

相対的に内燃機関という言葉が、車の話題ではよく聞かれるようになった

MT仕様とは?

その内燃機関を持つ車の中でも、AT(オートマチックトランスミッション)とMT(マニュアルトランスミッション)という分け方があって

これは、ギアチェンジの方法による分け方だ

先ほどのピストンの上下運動をそのままタイヤに伝えて動かすとしたら

ミニ四駆のように、同じスピードでしか車は走れないことになる

それでは発進や加速など自由自在にスピードを変えることができないので

ピストンの上下運動をタイヤに伝える前にギヤというモノを媒介する

簡単に説明すると、このギヤはパワーは大きいけどスピードが遅いローギアと、パワーは小さいけどスピードが速いハイギアがあって

発信するときはエネルギーが全く車にないので、ローギアでゆっくりと動かして

ある程度スピードが付いたらハイギアに切り替えてスピードを上げる、という使い方をする

これを人がやるのがMTで、アクセルの強弱で勝手に車がやってくれるのがATだ

元々は車はMTしかなかったのが、簡単に運転できるようにATが生まれたと考えるとわかりやすいだろう

フランス車

このATとMTは好みがあるんだけど

簡単にいうとアメリカと日本ではATが人気で、ヨーロッパではMTが人気だ

日本では「AT限定免許」というのがあるぐらいだし、基本的にATが広く普及していて

MTのほうは、昔の車や軽トラか、もしくは限定車なんかの特殊な場合という感じがある

しかし、ヨーロッパではまだまだMT車が存在感を持っていて

それは何故かというと、「車を操作している感じがある」からだそうだ

僕の乗っているルノーカングーでも技術の向上を背景に

ギアチェンジが自動でスムーズになるような装置が付いているのだが

ディーラーの話では、フランスではこのスムーズさが「運転してる感」を損ねるということで

一部では批判の対象になっているらしい

実際乗ってみて

僕は実際2015年にルノーカングーを買って2年弱乗っているんだけど

この「運転している感」というのを強く感じている

エンジンそのものの回転数を燃費が良い一定の範囲で維持しながら、うまくギアチェンジして加速していくのは

車を操作しているという感覚が抜群だし

逆に燃費を無視して、発進時に一気に加速することも出来る

(実家に帰省したときに乗ったAT国産車は燃費をよくしながら発進するようになっているので、発進時は勝手にとてもゆっくりになる)

あと、エンジンオイルの交換時期が近づくとオイルの粘度が上がるらしいけど

ギアチェンジや半クラッチの時の粘り気が徐々に強くなっていくような感じがする(実際どうかはわからないけど)

今なら、ギアチェンジの時のスムーズさに批判が出る気持ちも半分くらいなら理解できる

[amazonjs asin=”4479782990″ locale=”JP” tmpl=”Small” title=”フランス人は10着しか服を持たない~パリで学んだ“暮らしの質”を高める秘訣~”]

しかし!

内燃機関を持つ自動車の排気ガスによる大気汚染の問題から

そんな「運転している感」の考え方が強いフランスでも

2040年までに内燃機関を持つ車の販売を禁止するという方針が出された(2017年)

イギリスも同じ2040年までの同様の販売禁止の方針を決めており

ドイツについても、電気自動車の開発が活発になってきていて

ヨーロッパ全体として、脱内燃機関の流れが強くなっているようだ

[amazonjs asin=”4844397613″ locale=”JP” tmpl=”Small” title=”20年後、私たちはどんな自動車に乗っているのか? 電気自動車・ハイブリッド車・燃料電池車、そして自動運転車の未来 (NextPublishing)”]

内燃機関は亡くなっていく

この流れはある種、枯渇が宿命の化石資源を使っている限りはどうしようもないことだし

気付いたら内燃機関は世の中から主流からは外れて、アンティークのようになっていくだろう

技術はどんなに時間や労力を掛けて磨かれていても、主流から外れてしまえば亡くなっていく

スマートフォンの普及で、二つ折りの携帯電話の折り曲げ部の部品を作っていた会社がつぶれてしまったという有名な話しがあるけど

内燃機関も同じように過去の遺物になっていくのだと思う

「趣味でルノーの車に乗っている」

だから、僕は今趣味でルノーの車に乗っている

ヨルゲンランダースは著書で「アクセスの手段が失われる前に、世界の美しいモノを体験しておくべきだ」と書いていたけど

せっかく、技術の過渡期にいるのだから

これから過去の遺物になっていくだろう技術を今のうちに体感しておきたい

もしかしたら、車は全て電気自動車になり、自動操縦になり

「操作している感」はレーサーだけのモノになるかもしれない

その前に僕は「一般の人が車の操作する感覚を楽しんでいた時代の技術」の一種の到達点を

体験しておきたいので、「趣味でルノーの車に乗っている」

[amazonjs asin=”4895226646″ locale=”JP” title=”ルノーの世界―フランスの歴史ある自動車メーカー”]

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

四万十町在住パフォーマー 大学卒業後製紙会社に勤めていたが、移住を機に地域に根を張るパフォーマーとして生きていくことを決意。 2018年現在地域おこし協力隊として働きながらパフォーマーとして生きていいく道を模索中。 詳しいプロフィールや出演依頼などはメニューから各項目を参照ください。