こんにちは!
高知県・四万十町在住 地域密着方パフォーマー 松葉川健一です。
四万十町は生姜王国
高知県は生姜の生産が盛んで、シェアは4割を維持していると言われています。
中でも僕の住む四万十町は生姜の生産が日本一と言われており、僕の周りにもたくさんの生姜農家さんが居ます。
農業は農繁期と呼ばれる人手が一気に必要な時期があり、生姜もそれが顕著で、
10月後半から11月後半の収獲を行う時期のみ、普段の何倍もの人手が必要なため
そこらのコンビニとは比較にならない時給でバイトを募集しています。
人手はいれど・・・
今年も生姜の収穫の時期が目前にせまり、バイトの募集が始まっていますが、
何事も最初の一歩を踏み出すのはなかなか難しいものだと思いますので、
生姜のバイトがどういったことをするのか?去年の経験をもとにざっくりですがご紹介したいと思います。
去年お世話になった生姜農家さん
去年僕がお世話になった生姜農家さんは、高知では珍しい男性ポールダンサーでもある近澤さんです。
近澤さんは、夫婦でポールダンスの国際大会への出場経験もおありで、
親からの生姜農家という職業を受け継ぎつつも
奥さんが経営するポールラウンジ(ポールダンスの見れるラウンジ)アマラントのマスターとして
毎週ポールダンスを踊っているパフォーマーさんでもあります。
同じ四万十町にパフォーマーさんがいる!ということで、移住直後から積極的に交流させてもらっていて、
パフォーマンスの依頼をお願いしたり、アマラントのイベントに出演させてもらったりしていました。
その御縁で、こちらも手伝ってみないか?ということで去年何日かバイトに入らせてもらいました。
それでは段取りを踏んでバイト内容についてご説明していこうと思います。
(※作業中はしっかり作業していて、ちゃんと聞いたわけではないので間違っているかも知れません。あしからず)
収穫前の生姜
生姜が植わっている所は案外見たことがないと思います。
この下に生姜がめきめきと育っていっています。
これを引き抜いて、土と小さい根を取り除き、葉の部分をハサミでカットすることで出荷可能になります。
農家さんによってはこのまま引き抜くところもありますが、多くの農家さんがハーベスタという機械で
生姜の上部の葉を切り取りつつ、茎を引き上げてくれます。
これをやってくれると、引き抜く時に葉が持ちやすくなり、1回茎が引き上げられた状態なのでとても土から抜くのが楽になります。
(ちなみに上記の写真は右奥がハーベスターをまだ使っていない状態、中央にある低くなっているところがハーベスターを使った後の状態です。)
一緒に作業するベテランさんだと、手順を知っている方が多くて、あまりに自然に作業に入っていくので最初アタフタしてしまいますが、
ハーベスタを持っている農家さんの場合は、だいたいハーベスタが通った後を追って作業していけばそんなに間違ったことはしないと思います。
大まかな流れ
生姜の収穫作業は大まかに
・引き抜き、種生姜の回収(男性作業)
・引き抜かれた生姜の葉のカット(女性作業)
・収穫箱への回収・計量 (全体・責任者作業)
という流れで行われます。
細かくいうと付随した様々な作業がありますが、かなりざっくりというとこんな感じです。
引き抜き、種生姜の回収 (男性作業)
いよいよ男性が担当する引き抜き作業ということになりますが、
皆様生姜がどうやって出来るかご存じですか?
種をまいて、茎が伸び、花がさいた後に果実ができるというものでは当然なく、
生姜は普段僕たちが食べているあの生姜の状態で土に植えられたものから、分裂するように増えていきます。
なので、引き抜くとその分裂して出来た新しい白い色の生姜が姿を現しますが、
種となった古い生姜もそのままその場所にあります。
この古い生姜は種生姜、ひね生姜、親生姜、親など様々な呼ばれ方をしているようですが、
実はしっかりと食べるので、種生姜のみ集めて出荷もされます。
ただ、地中の一番奥にあるため引き抜いたときに多くは地中に残ってしまいます。
これが地中に残ったままになってしまうと、もったいないだけでなく後々病気のもとにもなるようで、
引き抜き作業の後、シャベルや手を使って確実に回収します。
つまり、男性作業は、「生姜の引き抜き→土を掘って種生姜の回収」というのを1セットで行います。
(画質が悪いですが、シャベルで種生姜を探す筆者)
引き抜かれた生姜の葉のカット(女性作業)
引き抜いた生姜はその場に(恐らく農家さんによって異なる)ルールに従って置かれます。
この置かれた生姜の葉の部分を切り取り、出荷可能な状態にするのが基本的な女性の作業です。
このカットの時に引き抜いた生姜の置かれ方がバラバラだとかなりロスするようなので、
バイトをする男性のかたはその農家さんのルールをよく見ておいて下さい。
慣れた方だとカットのスピードはかなりはやく、掘る方が追いかけられるような感じになることもありますね。
収獲箱への回収・計量
葉が切り取られた生姜はいよいよ出荷可能な状態なので、
黄色い収獲箱へと入れて、一定の重さに計量されます。
この計量の作業は責任者さんがやることが多いと思いますが、農家さんでやり方がまちまちで、
だいたいの量を入れておいて農道のどこか1カ所に集めてまとめて計量したり、
圃場内の作業車内で計量してしまって出荷したり。
加工品を作っている農家さんだったら、まったく計量をしないこともあるようです。
生姜の収穫作業はスピード命で(遅れるとだめになる可能性があがっていく)
作業時間をなるべく多くとりたいため、丁寧な説明はしてくれないと思いますが、
JAに出している場合は、収穫箱に何キロ入れるっていう形のルールがあるので、
そこに向かってやっていると思うと少し全体の流れが見えてくると思います。
大まかな流れはこんな感じで、それをスムーズにするために
それぞれの農家さんごとのルールがあるので、それを早めに覚えていくのが楽に作業するコツかと思います。
作業環境はいろいろ
今までの説明の時点でも「農家さんにより異なる」という言葉をたくさん使ってきましたが、
農家さんが行っている規模や、品質へのこだわり、昔からの伝統などで、
作業の方法や細かいルールは少しずつ違っています。
僕が去年働かせてもらった近澤さんの所は、必ず定期的に休憩時間を取ってくれて、
お菓子や飲み物をケータリングのように用意してくれていました。
収穫箱を裏返したのを椅子代わりに作業者全員でワイワイ話します。
休憩中、近澤さんにふられて種生姜でジャグリングしても、みんなで楽しく見てくれるような
仕事はしっかりですが、作業者同士の関係を大事にしてくれる思いやりが見える職場でした。
ぜひ一度四万十町へ
近澤さんのようなところが全てではないとは思いますが、
昨今の熱中症や職業病への理解などから、作業環境は全体的によい方向に進んでいると思います。
生姜はうまくやればしっかりと儲かる農業なので、待遇は全体的にとてもよい方だと聞いています。
あまり強くは言えませんが、個人的にはJAさんの斡旋よりも、なんとかして個人の農家さんと繋がって行ったほうがオススメです。(近澤さんはFacebookで募集を出しています)
興味のある方はぜひ、四万十町へ来て、農業や四万十川や田舎を感じてほしいと思います。
最後に、生姜は儲かる農業と言いましたが、地元では「ハイリスクハイリターン」と言われています。
様々な要因がありますが、病気が出ると広がりやすい、一度病気が出ると何年か畑を休ませなければならない
というようなことがあるようで、農家さんは病気にはとても気を遣っています。
バイトをする際は、消毒に関するポイント(この畦は踏まないなど)をしっかりとおさえたほうがよいと思います。
観光に来られる方は、遊び半分で生姜の畑に入らないようにお願いしたいと思います。
よろしくお願いいたします。
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