久々の読書は養老孟司
[amazonjs asin=”4106107406″ locale=”JP” title=”遺言。 (新潮新書)”]最近身の回りのことが結構激しく動いていて
なおかつ、サーカスフェスティバルに演者として参加していたので
読書は後回しになっていて、結構積読本が増えていた
ようやくフェスティバルが終わって、そろそろ読書でもしようかという1発目がこれだった
久々の書き下ろし
養老孟司は「バカの壁」という本で15年前くらいに大流行した作家だけど
この「バカの壁」という本は本人が「語り下ろし」と呼んでいる形式で作られた本だ
要は、養老孟司がしゃべった言葉を編集者が本にしていて
本人がうんうん唸ってペンを走らせているわけではない
しかし、養老孟司の思想には力強い幹が走っているようで
各論、いわば思想の枝葉の部分からその幹へと到達する感じが
本人のアナラジーの巧みさとともに、とても小気味よい
[amazonjs asin=”4106100037″ locale=”JP” title=”バカの壁 (新潮新書)”]唯脳論は読みにくい
そういう「語り下ろし」の本をいくつもいくつも出しているんだけど
養老孟司はもともとは自分の書き下ろしで本を書いている
代表作は「唯脳論」だ
[amazonjs asin=”4480084398″ locale=”JP” title=”唯脳論 (ちくま学芸文庫)”]この本がかなりの難物で、バカの壁から始まるー壁シリーズの神髄の部分をかなり如実に書いているのだけど
いかんせん、養老孟司の本業の解剖学の知見が深めで、思想への絡み方も複雑なので読みにくい
とても面白いんだけど眠くなってしまうタイプの本だ
遺書。はハイブリッド
しかし、唯脳論とバカの壁をどちらも読むと、やはりというべきか養老孟司の作家性のようなものは
確実に「唯脳論」のほうに感じられる
僕が説明できる範囲で例えると、ロジカルな世界にメスを入れるような言説を
ロジカルに論じている自分を失笑しているような、ある種の冷たいユーモアが文章の隅に出ている
今回の遺書。は、新書という形で出ているので、唯脳論ほどの難しさはなく
すらすらと読める感じではあるんだけど、その分バカの壁よりも作者の文章の味が出ている
バカの壁をすらすらと読んで「目から鱗!」なんて思った人には軽い違和感があるかもしれないけど
そこで養老孟司を感じると面白い本だと思う
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