小山のおばあちゃんと手打ちそば満留賀(まるか)

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2月の中頃に行ってきた栃木への墓参り旅行

ゆみさん(母)の実家は栃木県小山市の駅前から徒歩20分ほどのところ

墓参りは次の日と決めていた、この日は成田から大宮のおふろcafe utataneを経て

夜の7時に小山駅へついて、そのまま予約しといたホテルへ

ホテルにつくまでの僕は、関東の電車の人の多さにうんざりして、結構疲れていたんだけど

10分ほど仮眠したら元気を取り戻したので、小山に来たら行きたいと思っていた蕎麦屋

「手打ちそば 満留賀」へと、ホテルを出て歩き出した

 

僕は親の転勤の都合で、小学校3年生~4年生までこの小山市で過ごした

小学校3年生くらいというと、統計的にも自分の選択にかなり自覚的になる時期のようで

結構このころのことを覚えていたりする

ゆみさんはそのころ専業主婦をしていたようだけど、それでも用事がないわけはないので

僕や弟が休みの日で1日近く家を空ける時なんかは、よく実家のおばあちゃんの家へ僕たちを預けた

その時によくおばあちゃんに連れて行ってもらったのがこの満留賀だ

おばあちゃんは昔からとても強い人で、かつ自分に厳しい性格で

これより少しあとの、僕が中学生になるぐらいのころに、ゆみさんとメールでやり取りするために

70歳ぐらいでタイピングソフトの特打でタイピングをマスターして

高校生くらいになった僕がソフトを開けてみて、そのすさまじい高得点の記録に驚いたりしたけど

そういう人に限って、孫には際限なく甘かったりするもので

僕や弟が来るってわかると、前日にプリンやゼリーなんかを近くのデパートでたくさん買ってきてたり

この満留賀に来た時も、「なんでも好きなものを頼んで」って言っていた

 

満留賀はお手頃な価格の蕎麦屋という感じ

四国にいるとうどんばかりだから、たまにとてつもなく恋しくなるんだけど

関東方面の蕎麦は細くて色が薄くて

でも、スーパーに売っている乾麺なんかと違って小麦粉を混ぜないから

しっかりとそば粉の味がする(茶そばじゃない色の濃い蕎麦というのは結構実質はあやしかったりすると思う)

時期に関わらず、やっぱりざるそばは素晴らしい

そこまで辛くない上品なわさびをしっかりとつゆとまぜて

そばをひとすくい入れる瞬間は至福だ

 

満留賀は丼ものも含めてたくさんのメニューがあるけど

僕が頼むのはだいたい「天せいろ」だった

天せいろというのは、天ざる蕎麦のことだ、定番のざる蕎麦と天ぷらのセットで1150円

1550円の「上天せいろ」という天ぷらがグレードアップしたのもあるんだけど

僕はいつも「天せいろ」を頼んでいた

 

僕は1988世代ということで、不景気の始まりの時代に生まれたから

基本的にゆみさんから倹約を常として生きるように教育されてきたので

「なんでも好きなものを頼んでいいよ」って言われても、そこで遠慮していたのだ

当時小学生だったし、1150円だけでもとんでもない大金なのに、それを1550円なんて・・・って

今じゃ考えられないね、おばあちゃんの滅私的な精神に影響を受けていたのかもしれない

それで、今回は思い切って「上天せいろ」を頼んでみた

天ぷらのための大根おろしが、普通のおろし器ではなく鬼おろしらしく、荒くておいしかった

天ぷらがグレードアップしたけど、まぁそんなに変わるものでもなかった

天せいろの時点で蕎麦自体がとてもおいしいからだ

それに1550円って、もう僕にとってはなんでもない

昔の、それも戦争を経験している人の感覚ってやっぱり尊いよね

強くて、自分自身に厳しいのに、子供にとてもあまいおばあちゃんを見ていると自然に倹約的な気分になる

もう80になって、体が3分の2くらいに縮んじゃって、動きがとてもスローになってしまって

それでも「ホテルまで車で送ってあげたらいいんだけど、このざまで・・・」って僕のことを気遣ったり

昔の話をしていて「ずっと共働きだったからゆみにも苦労をかけて・・・」と言ったり

ロックなほど頑なに自分の責任として考えようとするおばあちゃんを見ていて

身の引き締まる思いっていうのはこういうことかと考えたりしていた

 

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

四万十町在住パフォーマー 大学卒業後製紙会社に勤めていたが、移住を機に地域に根を張るパフォーマーとして生きていくことを決意。 2018年現在地域おこし協力隊として働きながらパフォーマーとして生きていいく道を模索中。 詳しいプロフィールや出演依頼などはメニューから各項目を参照ください。