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常に葛藤の中を生きていた聖飢魔Ⅱ
聖飢魔Ⅱといえば「蝋人形の館」
お前も蝋人形にしてやろうか!!というセリフとともに、白塗りのメイクをしたバンドが暴れまわる様は誰でもイメージ出来るところだろう
しかし、「蝋人形の館」は聖飢魔Ⅱのメジャーデビュー曲だ
最近でいうと、ゴールデンボンバーが「女々しくて」という曲のイメージがあまりに強くて
二年連続で紅白で「女々しくて」を歌っていたけど
それに近いものをずっと聖飢魔Ⅱは背負ってバンド活動を続けてきたといえる
それはバンドがよく持つ「メジャーとマイナーどっちに行くんだ?」というような単純な話ではない
テレビが求めるキャラクターの暴走
聖飢魔Ⅱのメイクや戦闘服は、もともとは悪魔という楽曲の世界観を補強するために作られたものだと思う
前回ちらっと紹介した不躾な質問にもしっかりと論理的に返せる設定なんかも
全ては、曲の世界観のために作られたものだったと思う
それが、テレビで人気が出ることでその目的を超えて暴走してしまっていたんだと思う
演奏中に物を破壊するとか、過剰に長くインタビュー時間が取られたりとか
そういう事に時間がとられてしまって、音楽活動自体の時間が制限されるようなことは本意ではなかっただろうし
それが爆発して脱退したメンバーがいたりした
初代リーダーとの間
聖飢魔Ⅱには、メジャーデビュー時に脱退したメンバーがいて、名前はダミアン浜田っていうんだけど
アマチュア時代はこのダミアン浜田が作詞作曲をしていた(「蝋人形の館」はダミアン浜田の作詞作曲だ)
それが、メジャーデビューの時に脱退したので、その後の曲は他のメンバーが作詞作曲することになる
聖飢魔Ⅱはそれぞれのメンバーがみんな技術屋さんなので、みんなそれぞれ作曲が出来るんだけど
全員が音楽性がダミアン浜田とは異なる(デーモン閣下だけはダミアン風の曲を作ることもあるけど)
ダミアン浜田の曲というのは、聖飢魔Ⅱの世界観をそのまま曲にしたような感じなので
それはそれでピッタリはまってるいい曲ばかりなんだけど
他のメンバーが作曲した曲は、それぞれの持つ音楽性を「メタル」という枠内に入れ込んだ曲なので
いろんなアプローチからの「メタル」になっていて、バラエティ豊かでおもしろいんだ
でも、テレビで「蝋人形の館」が強烈な印象を残してしまったから
それ以外の持ち味が世間にも一部のメタルファンにも理解されないようなところがあったと思う
そのイメージとどう戦っていくのかというのが一つの聖飢魔Ⅱの勝負だったような気がある
アルバムによって音楽性が変わる
基本的にはメタルにはなっているのだけれど
聖飢魔Ⅱはアルバムごとにかなりコンセプトが異なる
同じバンドが同じメタルを演奏しているのに、全く違ったバンドの演奏のように聴こえる
ただ、基本的に技術力が高いメンバーが集まっているようなので
完成度が低いアルバムはない
一つ前のアルバムで、「地下室に並んだコレクション、生首を眺めて」なんてドロドロしたメタルで原点回帰の様相と思ったら
次のアルバムでは、「今だけの空を見上げて何かをつかみ取る、それだけで生まれ変わる」なんて澄んだ切ない系のメタルになったりする
常に模索し続けている感じなんだ
その種類の多さのおかげで
バリバリ正統派のメタルが聴きたくなった時も聖飢魔Ⅱの初期のアルバムから漁りだすし
ちょっとおしゃれなメタルを聞きたいと思ったら、聖飢魔Ⅱの中期のアルバムからヒントを得ようとする
全くメタルじゃないアルバムってのも存在していて、それはいわゆる歌謡曲のような感じなんだけど
閣下の歌詞自体も基本的に好きなので、それもたまに聴きたくなる
そんな風に、同じバンドの中で飽きないことも僕がいまだによく聖飢魔Ⅱを聴く理由の一つだと思う
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