久々に新書を読んだ(凡人として生きるということ 押井守)
[amazonjs asin=”4344980891″ locale=”JP” title=”凡人として生きるということ (幻冬舎新書)”]
緒言
来年にハリウッド映画公開が決まった「攻殻機動隊」
元々は士郎正宗による漫画作品だったのが
[amazonjs asin=”406313248X” locale=”JP” title=”攻殻機動隊 (1) KCデラックス”]アニメシリーズが2度にわたって放送されていて、そっちのほうが有名になったりしたけど
ハリウッド映画にまでなる流行の元になったのは
今回僕が読んだ本「凡人として生きるということ」の著者であり
映画監督である押井守による、初の攻殻機動隊映像化作品
「GHOST IN THE SHELL /攻殻機動隊」だ
[amazonjs asin=”B004G097OK” locale=”JP” title=”GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊 Blu-ray”]あの「マトリックス」に大きな影響を与えたらしいこの映画はなんと1995年公開
こんな映画を作った監督である押井守が書いた新書に「凡人」というワードが入っている
これは読むしかないな、ということで読みだしたが
それはそれは、論理的かつシンプルでおもしろかった
若さに価値などない
第一章の書き出しの表題がこれだ
戦時中でもない今に日本に若さが価値になることなんてない
それは、消費を促して経済効果を生み出していくために保存されているデマだろう
それが押井守の主張だと思う
若者は流行にのって、服をたくさん変えていく
そして、歳を取ったおじさんが服に無頓着でダサい服装をしていることを「腐っている」「ああはなりたくない」なんて思っている
しかし、その流行というものはそのダサい服装をしているおじさん達が作り出したものなんだ
大量生産の既製品の組み合わせで、自分の個性が表現できるわけないじゃん
若さが価値っていうデマを信じさせておいて、そこを麻痺させて無意味な消費をさせる
ちょい不良と車好きは未熟者
そこに騙されるのが、若者だけではなくて
最近は「ちょい不良(ワル)」なんて流行が作られて、未熟な大人もそれに搾取されている
そもそも「趣味は車」などというオヤジの実態は、ローンを組ん外車を買ったとか、シートを替えたとか、しょせんその程度のことだろう。趣味といっても車は単なる工業製品に過ぎない。欧州車を選ぼうが、中古のアメリカ車に乗ろうが、国産のハイブリッド車だろうが、それはセンスや個性とは何ら関係ないことなのだ。(本文から引用)
激しい共感
「若さは価値」と同じように世の中が作り出した流行に載せられて搾取されているのが
若者でもいたいたしいけど、おじさんだったら笑えない
美学をもって勝負にあたれ
冨と名声と美学
その中で美学を大事にして生きるのが重要との話
冨や名声は相対的な評価であり、どれくらい金持ちか、どれくらい偉いのかなんてのはあやふやだ
でも、美学だけは本人だけのモノで、自分で判断していくしかなく、それを大事にするのは自分だけの価値を見つけることにつながる
だから、押井守が映画監督として一番大切にしているのは「自分が納得したものが作れたか?」
映画は色々な人の共同で作るので、監督の自己満足な作品にはなりえないけど
その中で自分の美学にかなう作品を作っていく
イノセンス
僕は攻殻機動隊の中で、「イノセンス」が一番好きだ
[amazonjs asin=”B0000APYMZ” locale=”JP” title=”イノセンス スタンダード版 DVD”]攻殻機動隊は元々の設定がとてもおもしろいんだけど
イノセンスが一番世界観が静かで保たれている感じがする、それこそ美学を感じる
(ここからはどれかしら知らないとわからないけど)
他の公安9課のメンバーにフューチャーしたりしないし、タチコマも出てこないけど
それだけに、記号的で美しい世界が最高
アニメはそんなに見ないけど、アニメ映画は表現するモノがしっかりしているモノが多くて
たまに見たくなるな
コメントを残す