今年度に入ってから介護職員初任者研修に通っている僕だが
同時に今年に入ってから、本を去年よりもよく読むようになった
身銭を切って勉強したことは身になりやすいと聞くが、研修代を払って毎週授業を受けているので
介護に対する興味が当然のように上がってきて、それで読む本の幅に「介護」という分野が入ってくる
体験→読書と繋がって、そこからさらに興味の幅が広がるのは非常に望ましいと思う
介護のことば
今回初めて介護と名前の付く本を読んでみた
[amazonjs asin=”406282454X” locale=”JP” title=”介護のことば (介護ライブラリー)”]介護に関するエッセイ集
どうも、少し前に読んだ、「夢みる科学」と同じように新聞で連載されていた内容を
本に編集したものらしく、1つの単元につき約1.5ページで介護のエッセンスをまとめている
ひとつの単元が短いので、すらすらと読めるけど、その中に深い示唆を豊かな表現によっていれこんでおり
読みやすくかつおもしろいのは「夢みる科学」と同様だ
[amazonjs asin=”447230290X” locale=”JP” title=”夢みる科学”]三好春樹
著者は24歳のころからずっと介護職として生活を送っており
介護がまだ「リハビリテーション」の一部でしかなかった時代から
「おむつ外し学会」や「チューブ外し学会」を立ち上げて
過剰な医療行為による、老人への尊厳の破壊に抵抗していたらしく
人間性を重視して「日常」に接する介護という分野を切り開いた人物の一人として知られているようだ
文系と理系のハイブリッド
この本の序文で以下のような一文がある
介護は、理系と文系の両方にまたがった領域なのである。だから、介護のことばも両方のことばが入り混じっている。例えば「老化」なら理系のことば、でも「老い」なら文系のことば、その両方についての理解を求められるのが介護という領域なのである。(介護のことば より)
この文章を読むと、これは間違いないと納得するとともに、介護という仕事への熱意と誇りが強く感じられる
初任者研修を受ける中で、介護という分野は、僕が最近はまっている「唯脳論」でいうところの
脳と身体、どちらもバランスよく実践できなければいけない高度な職業だと思って、そのうち記事にもしてみようと思っていたのだが
理系とは脳が扱う理論や知識のことで、文系とは身体で感じる心の部分のことなので
この「脳と身体」が=「理系と文系」ということだろう
文章力の化け物
この「文系と理系のハイブリッド」とでもいう人の書く文章は
大きな示唆をはらんでいながら、それをとてもシンプルに伝えてくれるので
読んでいて「この表現やべーわ」と思って半泣きになってしまう
物事のアナラジーを利用して、日常見ている物事から日本や地球や宇宙まで思考をつないでいく教養力には本当に驚嘆するばかりだ
身体も頭も、いろいろなものが失われて言っている老人という人たちを見ているからこそ
人間の本質的な心の動きにコミットして説明していくことが出来る
かなり読みやすくて、飽きたらその単元で辞めてしまえるので
介護に興味のない人も是非一度読んでみてほしい
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