大いなる看取り 感想 「メルエムの最後のよう」

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看護の勉強をしていくなかで、気になった本を読んでみた

大いなる看取り 山谷のホスピスで生きる人々 中村智志

初任者研修の例の先生の話で、「ターミナルケア」という言葉が出てきて

ちょっとだけ興味がわいていたところに、祖母の訃報をうけて

なんとなく手にとって読んでいった

ホスピスとターミナルケア

僕は介護の授業で聞くまで、「ホスピス」という施設が何をするところなのか知らなかった

正直、クリニックとかホスピタルみたいな、色々とある病院の横文字の1つだと思っていた

普通に生活していると、介護が看護と何が違うのかがぼんやりとしてしまうけど

要は治療のための分野が(看護)で、日常のための分野が(介護)だ

この分け方で、ホスピスは(介護)のほうに属する中でも、特殊な施設で

ターミナル(終末期)ケアと呼ばれる、治る見込みのない病気の人が、最後の時までの時間を人間らしく生きるための施設だ

実はこのターミナル(終末期)という言葉は、法的に明確な基準はないようで

ターミナルケア自体も、病院でやってみたり、介護施設でやってみたり、その人の現状に合わせて行われているのが実情のようだ

そんななか、このターミナルケアに専門的に取り組んでいるのが「ホスピス」という施設ということになる

ドヤ街のホスピス「きぼうのいえ」

この本は2002年に設立されたホスピス「きぼうのいえ」に著者が実際に通って取材した内容をまとめたものだ

この著者はこの本を書く以前にホームレスに焦点を当てたノンフィクションを書いており

その流れで「きぼうのいえ」を取材することになったようだ

というのも、この「きぼうのいえ」は日本で初めてホームレスや路上生活者のために設立されたホスピスだからだ

飢えた人への活動で有名なマザーテレサが来日した際に

「日本はこんなに豊かな国なのに、なぜホームレスという人達にたいして、救いの手をさしのべずに忌み嫌うような表情で見るのか」

と言ったらしいことが、子供の頃に読んだ漫画伝記で書いてあったけど

まさにそのマザーテレサが作った「死を待つ人々の家」というホスピスに影響を受けて生まれたらしいこの施設の日常が

ジャーナリストである著者までもそれぞれの死へ寄り添うような形の文章で綴られていく

ホームレスの人達が持つ様々な歴史

介護全般でもそうだけど、ホスピスでは入居者の人達の日常に寄り添って、QOLを高めることを目指すから

自然とその人達のこれまで歩んできた人生を、部分的にではあるが拾い上げて

最後の時まで、その人生の軌跡を大切にしながら入居者が少しでも自分らしく生きる手伝いをしていく

元ホームレスの入居者の人達が持つ歴史は僕のイメージとは違って、本当に多種多様で

ただ、企業を中心とした社会から外れたために、ホームレスになっているという風に思える

戦争の経験から日雇いの仕事が初めから生活の糧だった人

ヤクザに近しい位置で仕事をしていたために、家庭とはあえて縁を切る決断をした人

お互いが妻子がいる状態で深く愛し合ってしまったために、ホームレスを選んだ人など

一筋縄ではいかないそれぞれの人生をバックボーンにした、それぞれの最後の日常は

時に感動的で、時になにも理解できず、時にただ暖かい感情だけが残る

急に漫画の話になって申し訳ないが

HUNTER×HUNTERという漫画の「蟻の王のメルエムの最後」の感動に近いモノがそれぞれにあるような感じだ

未来への取り組みか?

先ほど、「企業を中心とした社会から外れたために」と書いたけど

ネットの影響でいろんな思想や考え方があふれかえったいまの時代

この外れた人間が、より大量に生きているのが今の時代だと思う

そのすべてが、ホームレスになってっていう訳ではもちろん全然ないんだけど

ターミナルケアという概念はある種、そういう時代にこそ必要になってくるような気がする

生き方も死に方も多種多様になっていく中で

最後の迎え方も多様化していくだけでなく

成長を手もなく最良のものとして、死や衰退を見ないようにしてきた時代が続いてしまった今

最後の通告を受けたその時に、その「死や衰退」を取り戻して自分らしく最後の時を生きていくことが出来る空間が

必要になっていくんじゃないかと思う

 

 

 

 

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

四万十町在住パフォーマー 大学卒業後製紙会社に勤めていたが、移住を機に地域に根を張るパフォーマーとして生きていくことを決意。 2018年現在地域おこし協力隊として働きながらパフォーマーとして生きていいく道を模索中。 詳しいプロフィールや出演依頼などはメニューから各項目を参照ください。