最近また養老孟司の本を見かけたので読んでみた
[amazonjs asin=”4480062807″ locale=”JP” title=”無思想の発見 (ちくま新書)”]実は僕が養老孟司にはまりだしたのはごくごく最近で
「バカの壁」が流行っていた2003年から2005年の時点で既にポップカルチャー嫌いをこじらせていたので
意地でも読まない、と思っていたんだけど、今思うと読んでおけば良かったと思う
でも、「moimoimoiの活動を経た後じゃなかったら思い当たらかっただろうな」って思う事もたくさんあるから
タイミング的には間違ってもいなかったのかもしれない
本の概要
日本人は無宗教者が多いとか、多神教の国だとか
そういう、いわゆる世間の疑問に著者お得意の脳科学と思想をふわふわさせる文で切り込んで行く
これまでも養老孟司の本を紹介する時に感じていたけど
意識と身体を分けて、現代人が意識を偏重しすぎているのではないか?という根底思想が強い
その根底思想に基づいて、ウィットに富んだ比喩で世間を切りつつ、自分の思想を紡いでいく
無思想をゼロで例える
さすがだなぁ、と思ったのは、日本の無思想状態を数字の「0」で例えているところ
「俺たちは無思想だ!」っていうこと自体が思想だっていうのが著者の主張なんだけど
その「無いっていうことが存在している」状態は0があるようなモノじゃないかっていう例え
さらにいうと、0という概念があることで数学が発展するように
その概念を意識することで、自分達の無思想という立ち位置をより多面的に捉えられるはずだっていう
非常に理解しやすい理論
実際の本は「バカの壁」なんかに比べると、かなり込み入ってる感じだけど
脳科学版正負の法則
あと面白かったのは、読んでて僕の信仰する美輪明宏さんの「正負の法則」っぽい話が出てきたこと
[amazonjs asin=”4891946458″ locale=”JP” title=”ああ正負の法則”]美輪さんは「正負の法則」は世の中の真理の1つで、
良いことがあれば必ず悪いことがある、逆に悪いことがあればかならず良いことが巡ってくるってよく言っていて
それを深く掘り下げた本を出したりもしてるんだけど
これが、この本の「はぜ人は眠るのか」って言う話を読んで思い出された
寝ているときも脳は整理をしている
というのは、脳は起きているときも寝ているときも消費しているエネルギーはだいたい同じってところを根拠にして
起きているときは意識が活発に活動して、「秩序立った理論」をたくさん生成しているんだけど
秩序立った理論を生成しているということは、エントロピー増大の法則に基づいて、秩序立った理論と同じ分の無秩序が生まれているはずで
それは起きているときは脳にたまり続けて、寝ているときにそれをなんとか意識ではない何かが整理しているのではないか?という話で
人間は秩序立ったモノと無秩序なモノを会わせて0になっているはずだっていう感じ「正負の法則」に非常に近いような気がした
仏教的か?
ある種、これは仏教的な話なのかもしれない
美輪さんはちょくちょく自分が日蓮宗を信じていることを本に書いているし
この本で養老孟司は、自分が解剖で得た知識から見いだした「唯脳論」の考えが阿含経に既に書かれていたことを論じている
仏教というのは、それが宗教としての存在意義とか、現実のお葬式の問題とかと関係なく
僕たち日本人の根本の所に影響を及ぼしているのかもしれない
コメントを残す