こんにちは
四万十川のほとりに住むサーカスアーティスト松葉川健一です
「やまけん!!コロナに合わせたすごいビジネスを思いついた!
いろんな人に声掛けしてとんとん拍子に進んでいて、やまけんのためにも絶対なるから
協力してくれ!!」
そんな黒川さんからの電話からはじまった僕からみた「おとぎと魔法の劇場」。その時はまだ、おとぎと魔法の劇場、という名前も決まっていませんでした。
その時、黒川さんが僕に話してくれたのは、ざっくりと学校向けの戦略の話。
コロナで芸術鑑賞会に都会の劇団さんを呼べなくなった学校に向けて、四国の演者のみで構成した新たなパフォーマンスチームを作り、教育要素を入れた作品を作ることで芸術鑑賞会に進出しよう。というのがざっくりとした話でした。
当時から黒川さんは地元である新居浜市や愛媛の経営者さんとの繋がりが強く、ビジネスモデルを作り上げていく、という観点で様々な物事を考えているようでした。
「やまけん!よくやまけんのブログにでてくる、ーーっていう劇作家は連絡とれないか!?専門家の脚本演出でやりたいと思っていて・・・」
この話を聞いたときに
「あぁ、この企画、あんまりうまくいかないかもな・・・いや、黒川さんのことだからうまくやるんだろうけど、いい作品にはならないだろうな」
と僕はぼんやりと思っていました。
マジック・ジャグリングと演劇を混ぜる企画は、案外たくさんあるんですが、僕が見た限りで、あまり面白かったことはありませんでした。
演劇、と一口に言っても様々な手法・流派のようなもの・それぞれの歴史、に紐づいた多様な表現欲があって、
ある程度の強度を持っている演出家さんが、一つの特殊な文化を形成しているマジックとジャグリングのステージ演技に深い理解を持っていることはまれだと思います。
また、おとぎと魔法の劇場もそうですが、基本的に演者が役者も兼ねている場合がほとんどなので、役とステージ演技を乖離させずに脚本に落とし込む、とうのは難解なパズルのようなものです。
僕は会社員時代に、人形遣いと音楽家と3人での作品創作を行っていたので、異なるジャンルを溶け合わせようとする際の困難さ、それぞれのジャンルへの相互リスペクトの重要性、演劇というジャンルが持つ広域性などを身に染みて感じていたので
その軸になる脚本・演出の選定を、とても親しいとはいえ一演者として声をかけている僕に任せることを視野にいれている黒川さんに、まぁまぁの不安を覚えました。
でも、僕はパフォーマンスを仕事にすることはなんでもやってやろうと思っているし、黒川さんはずっと親友だし先輩だと思っているのでひとまず様子を見てみよう、という感じで参画しました。
幸運なことに脚本・演出は、この難解なパズルを解きたいと思っていて、粘り強く真摯に・体当たりで・本気で向き合ってくれる黒川さんの昔からの友人がすることになります。
黒川さんにとっては、これが幸運だったのか不幸だったのか僕には判断しかねますが、彼の力で黒川さんも僕もたくさんの気付きや視点をもらい、後に音響照明を担当してくれるCrafTactの浜田くんと4人でおとぎと魔法の劇場が実現していきます。
彼は今は僕にとってもかけがえのない大切な友人です。
おとぎと魔法の劇場 シロの日記2
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