マルクス杯批評集

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先週紹介したマルクス杯を見に行った

マルクス杯6月26日開催(6月11日香川高専詫間キャンパス練習日記)

 

今回、東京にいて見に来れないスポンサーのメロディ君から

その特別審査権を代理としていただいて、少し多めに投票をさせてもらった

メロディ君からは

・お客をみれるかどうか(技術ごり押しでなく、お客さんを意識できているか)?

・曲の世界観と演技の雰囲気がシンクロしているか?

という2つの審査基準を承った

それに加えて、自分の元奇術部としての視点として

・一般から見た見え方

・舞台にたったとしての見え方

の2つの審査基準を加えて審査をさせてもらった

かなり、「ショーアップ」ということに偏った審査をした

創作サーカスを初めて以降の僕は、ショーアップ以外の表現もたくさんあり

僕自身それだけで見ていたことを反省していて

さらには、意図的でも非意図的でも表現として面白いことはたくさんあることを知ったので

こういう見方はしなくなっていたのだが

ショーアップに特化したほうが、今回の趣旨に合致すると思ったので、そういう視点で審査した

 

以下にいろいろと感想と批評を書いていくけど、本人達の人格とかを批評する気はない

これを読んだ参加者に「こういう見方もあるのか」という一つの視点を提供したいだけだ

 

全体として

・まず、参加者全体として体育館シューズの演者が多かったのが残念だった

今回の曲とルーティンをマッチさせる、というコンセプトの場合は、衣装に穴があると

表現したい雰囲気がさめてしまって、一気に伝わらなくなるので、指先から足下まで

雰囲気に気を配ったほうがいいと思った

・次に、演技に入るタイミングと終わりのタイミングが曖昧な人が多かった

曲が始まって、自分の雰囲気に引き込むためには、入場(板付)から退場(暗転)

までをキッチリと日常と区別したほうがお客さんが集中しやすいし

暗転のきっかけになる礼や退場を区切りにお客さんはそのルーティンを頭の中で整理するので

気を遣ったほうがよいと思う

 

1なりの

曲 Alone (Becca)

道具 コンタクトポイ

曲がロック系の女性ボーカルだったのにあわせて、凜々しい女子を意識したルーティンだったと思う

衣装とメイクが凜々しい感じで統一されていてよかったが、体育館シューズがダサかった

ヒールとか、すっきりした感じの靴を履いていれば雰囲気はバッチリだったと思う

ただ、青のコンタクトポイはプラスチックの光沢があるボールでちょっとミスマッチ

衣装と比較してチャチく見えた、コンタクトポイをしたいのはわかるけど

シンプルな青系のテールとかのほうがよかったんじゃないかな

ルーティンがしっかりしてる分、髪を直す動作とか

無駄な動作で素がでちゃったりしてるのがちょっと残念

 

2ばっしー

曲 Tai Rei Tei Rio(高木正勝)

道具 シガーボックス

曲がワールド系だったけど、衣装は普通のロックな感じだったので少しイマイチ

ちょっと緊張してたのか、あまりにも失敗が多かったので、

正直評価する以前のレベルになっちゃってたと思う

 

3きょーへい

曲 Let It Go (Robert Lopez)

道具 クリスタルボール

入場が食い気味で、アナ雪の曲に会わせて両手にボールを持って差し出したり

白のステージボールにオラフの顔を描いたり、大道芸的な演出が多かったと思う

服装もラフなものだったので大道芸感があったけど、クリスタルのルーティン中は

クールというかナルシーな感じで、ちょっとミスマッチ

もうヘッドセットを借りて、しゃべりながら大道芸をやっちゃったらよかったと思う

 

4AIK

曲 BEEHIVE (Illion)

道具 ディアボロ

あんまり印象にないけど、割と技術的な技に引っ張られ過ぎて、アピールのタイミングが

盛り上がらない感じになってしまっていたと思う

あと、これはジャスミンもそうだったけど、インフィニティしてるときの逆手が死んでた

 

5マルクス

曲 ジレンマ (ecosystem)

道具 ディアボロ

J-POPの曲に合わせた、無難なルーティンっていう印象

曲にたいした特徴がないから、料理しきれなかったんだろうなって感じ

アピールのタイミングは自然で、一番落ち着いて時間をとってしていたと思う

あえて言うなら、走ったりして移動するときちょっと動き方がダサイかな

 

6しめさば

曲 flashback trip syndrome (school food punishment)

道具 コンタクトポイ

この子はもう、とりあえず痩せなきゃだめ

発表するからには、自分の体型とか顔とかビジュアル面を考慮するべきだと思う

衣装が体のラインがもろにでる衣装で、かつコンタクトポイだったので

どうしても体型のほうに目がいってしまう

太っていても、ポンチョみたいなひらひらした衣装を着て

テールポイにするとかやりようはあると思う

なりのもそうだけど、せっかく練習して時流にのってるコンタクトポイをやりたいのはわかるけど

コンタクトポイがかなり地味で、技術以外の演出とか誤魔化しが効きにくい道具だってことを

まず意識したほうがいいと思う

 

7ロビンソン

曲 熱情の律動 (伊藤賢治)

道具 ディアボロ

曲が情熱的な割に、衣装が草食系すぎるなーって思った

アピールがしっかり出来ている印象。ただちょっと同じアピールが多かったかな

ブービー賞だったみたいだけど、そんなに悪い印象はなかった

まとまってていい感じじゃん、くらいの印象

 

8キヨちゃん

曲 白雪姫 (Flower)

道具 フラッグ

最初黒いマントを着て出てきてぬいで演技を始めたけど、イマイチ意味がわからなかった

衣装は白で統一しているけど、この子も体育館シューズだったのでちょっとイマイチ

あと、クール系の少し重い感じの表情と、白い衣装とピンク色のフラッグがちょっとミスマッチ

どちらかというと、きれい系の演技をしていたのに、急に最後だけバク宙ってのはちょっとよくわからない

 

9もっちー

曲 No pain,No game (ナノ)

道具 ディアボロ

曲が激しいので、情熱的な衣装で技を詰め込むようなルーティンはよくあっていたと思う

ただ、あまりにも展開が早くてついていけないと思った

曲が速い割に単調で、詰め込む方向になっちゃうのはわかるけど

それでもお客さんから見てギリギリそのスピード感をつぶさずに楽が出来る技とか

工夫して技の展開にも難易度にも緩急をつけることが出来れば、

ミスの確立も減ってかつお客さんに見やすい演技になると思う

 

10ふっちー

曲 fuego (bond)

道具 ディアボロ

ゆったりした雰囲気で、曲とか関係なく単純に好感を持たれるキャラをしていると思う

技術力はスポット4年生に及ばないけど、アピールがしっかりしていたので高評価

ちょっと姿勢が悪めだったかな

 

11ジャスミン

曲 ルパン三世のテーマ (藤原喜久男)

道具 ディアボロ

技術力が高めだけど、多分意図して余裕を持っているルーティンは

ルパン三世のフランクでひょうひょうとした雰囲気とマッチしていたと思う

バリバリ日本語の歌詞が入っていたので、どうなるかと思ったけど

最初のうちにアピールを多めに持ってきていたので、拍手に消されてあまり気にならなかった

正直いい感じにはまったな、と思った

あえて言うとすれば、アピールを普段より多めにしているせいで

普段のしっかりと長めの流れを見せれるところが犠牲になっていたかな、と思う

 

12キング

曲 Cant Hold us (Pentatonix)

道具 デビルスティック

曲の性質上、衣装も決まりにくいし、ルーティンも単調になりやすかったと思う

後半のマイクの当て振りであんまりルーティンの印象があんまりないけど

デビステでありがちに、アピールのタイミングがつかみにくくて、盛り上がりにくい感じだったと思う

曲の最後のところは、なんでデビステの折れたヤツでやってるのかよくわからない

この部分の扱いまでルーティン内との関係生が作れてたら間違いなく1番だったと思う

 

13ゆうきゃん

曲 半丁猫屋敷 (ADAMat)

道具 シガーボックス

オシャレでかわいい雰囲気の曲と衣装がよく合っていたと思う

曲に合わせて、アピールを増やしてかつ、笑顔のアピールをしていたのはとてもよかったけど

技の最中や失敗時に大会時のルーティンのような無表情のため

作り笑いのように見えたり、裏表があるような不安を感じてしまった

ジャスミンのディアボロみたいに、ディアボロが基本下半身に位置して、

演者も下を向いているのがデフォな場合そんなに気にならないのだろうが

いかんせん目力も強いのでそこが目立ってしまっていたと思う

技の最中に、流れの進行と共により頑張っている表情を出していくとか

ルーティンの流れに合わせた表情の動きがあれば、もっとお客さんが感情移入できる演技になったと思う

 

ゲスト

SPOT二年生チーム

想像していたよりもとてもよかった。去年のSPECでSPOTの演技を見たときは

「もうSPOTの団体演技は終わりだな」なんて思っていたけど、全然そんなことないね

曲に合わせて、1人と場面と多人数でのユニゾンを入れ替えて

お客さんの視点を1人から、舞台全体へと移す手法とか有効に使われていたと思う

あえて言うならソロパートの力量不足が目立っていた

ポイの女の子もクラブとシガーのソロやってた子も

あれぐらいのレベルで、あれだけドロップもするなら

ソロをやるより、完全に団体系で構成しきっちゃったほうがいいと思った

 

すこんぶ

ジャグラーのキャラを使った演技は、さすが。

社会人になってもあれだけの技術力の要るルーティンをやりきっちゃうのはすごいね

今回の趣旨上、いろんな演技を見せたほうがいいと思うし

例のかわいいポシェットを肩からさげてやる、「かわいいルーティン」とかやってほしかったな笑

 

企画

マルクス杯は、企画自体がとてもおもしろいので

是非今後も続けられるもんなら続けていってほしいと思う

自分の価値観じゃない曲で、ルーティンを組んでみる経験は

確実にその後のルーティンと、ジャグリング生活、パフォーマー生活に

とてもいい刺激を与えてくれると思う

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

四万十町在住パフォーマー 大学卒業後製紙会社に勤めていたが、移住を機に地域に根を張るパフォーマーとして生きていくことを決意。 2018年現在地域おこし協力隊として働きながらパフォーマーとして生きていいく道を模索中。 詳しいプロフィールや出演依頼などはメニューから各項目を参照ください。