夜を乗り越える(又吉直樹)読了

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久々に新書を呼んだ

又吉直樹の「夜を乗り越える」

これは、この前のワールドジャグリングデイ香川の時に駐車場代を払う千円を作るために

1万円を崩そうと思って入った宮脇書店で偶然目に入って買った本だ

中編小説「火花」にて芥川賞を受賞して一気に有名になった又吉直樹だけど

僕はもう少し前から又吉直樹が好きだ

僕自身根暗だからなんだけど、根暗な気質を持っているお笑い芸人さんが好きだ

ピース又吉、インパルス板倉、サンドウィッチマン富沢、ノンスタイル石田、etc.

アメトーークで人見知り芸人とか、気にし過ぎ芸人とか、中学のころイケてなかった芸人とか

そういう企画は正直、共感の嵐だ

 

今回の「夜を乗り越える」は又吉直樹が小説の魅力を語っている内容だ

僕が受け取ったメッセージを要約すると

「芸人とかミュージシャンみたいな、普通の仕事があまり得意でなくて

感性を使って生きていこうとしてる人ほど、小説はおもしろいから

そういう人ほど小説を読んだらいいのに」

ってことだった

 

又吉直樹はこの本のなかで

太宰治や芥川龍之介など近代文学の騎手というべき人たちとお笑い芸人を重ねている

みんなが感じていても言えないでいる、社会への恐怖心や猜疑心

売れないことへの不安や不満

誰でも持っているいびつや愛情やゆがんだ性欲

そんなものを小説っていう道具を使って表現しようとしてきた人たちが小説家だって書いている

 

ここからは僕の考えだけど

世の中をモデルとして切り取って、なるべくシンプルに効率よく答えにたどり着こうとするのが

サイエンスであり、それを商売とかに利用していくのが経済活動で

シンプルにした答えに乗っかっていたほうが、世の中をうまくわたっていける

 

でも、世の中本当はそんなに単純じゃないじゃない

そのときどきで複雑なことが起きているのに、サイエンスのモデルで単純化されて

全て押しつぶされちゃうこともあって、その気持ちはどうすればいいの?

 

そんなことを小説の技術を使って複雑なものを複雑なまま相手に伝わるように

試行錯誤しているのが小説だって言っているようだ

 

その小説を読んでいくことで、自分の中になる複雑なものをそのままうまく表現されて

共感とともに感動したり

新しい視点をもらって、これまでうまくわからなかったことがスッと入ってきたりする

 

そう思うと、文学が芸術だっていうのが心の底から理解できた

だって、創作サーカスだって、そうだもの

 

また、近代文学の小説でも読んでみようかな

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ABOUTこの記事をかいた人

四万十町在住パフォーマー 大学卒業後製紙会社に勤めていたが、移住を機に地域に根を張るパフォーマーとして生きていくことを決意。 2018年現在地域おこし協力隊として働きながらパフォーマーとして生きていいく道を模索中。 詳しいプロフィールや出演依頼などはメニューから各項目を参照ください。