子供向け演劇ワークショップとサーカス創作の共通点
今年度に入ってから、僕は四国学院大学のアートマネジメント公開講座を受けているんだけど
この公開講座はプログラムディレクターが3人中2人演劇が専門で
スーパーバイザーも現代口語劇の第一人者の平田オリザ先生なので
かなり演劇を題材にした講座や体験講座が多い
そんな講座を受ける中で僕自身も演劇のワークショップを体験したりもしているんだけど
やはりというべきか、特に教育という点で演劇のワークショップとサーカス創作はかなり共通点が多いように思う
共創
教育という観点で見ると、どちらも「共創」を学ぶ事を主眼に置いている
「表現」という国語や算数などの通常の教科に比べて、フレームの自由度がとても高い道具を使って
かつ、「集団で創る」ということを課題に課すことで
お互いの違いや長所短所を強く意識させて、かつその違いを持っている集団で
どうやって限られた時間内でコンセンサスを形成していくのか模索してもらうことで
押井守が言うところの「異質なものと付き合うためのコミュニケーション」であり
平田オリザが言うところの「対話」を行うためのコミュニケーション能力を高めてもらうことが出来る
同時に演劇のワークショップとサーカス創作でどこら辺が違うのかということも自然とちょっとだけど考える
感覚は日々薄れていくので、まだ書きたい欲がある内につらつらと書いてみようと思う
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演劇のワークショップの利点
演劇のワークショップの利点は言葉が自由ならば誰でも参加しやすいということだろう
(僕が参加したのは子供向けや未経験者向けのワークショップなので、上級者向けは違うのだろうけど)
身体があれば参加出来るし、サーカスのように特別な練習はいらない
さらにダンスと違って明確に「言葉」という道具を利用することが多いので
(スポーツや日常の一幕など表現するためのお題の共有がしやすいので)
半日ほどのワークショップでも、自分達からみても周りから見てもわかりやすい創作成果が得やすい
実際僕の参加した小学生向けのワークショップでも、それぞれのチームが表現するお題が分からないようなことはなかったし
わかりにくいならわかりにくいで、それを見ている方が探すことで
それぞれの視点の違いや表現の幅の広さを体感することが出来ていた
練習がいることは長所であり短所
これに対してサーカスの創作となると、基本的には事前の練習がいる
高さが出る高足や一輪車、玉乗りやアクロバットのような危険を伴うサーカス芸はもちろんだが
ダンスにしても、ジャグリングにしても、演奏にしても、演劇のようにゼロから半日で成果とはいかない
しかし、練習がいるということは逆に個性を固める時間がとれるということでもある
上記の僕が参加した演劇のワークショップでは、1チームだけ発表まで行き着かなかったチームがあった
それは知的障害の子が1人と他が優等生で構成されていたチームだ
優等生達はなんとか知的障害の子のイメージも共有しようと頑張っていたのだが
お題を「天才バカボンにしたい!」と強行に主張する知的障害の子を前に、時間内にコンセンサスが形成出来なかったのだ
サーカス創作の利点
演劇には言葉という協力な武器がある分、言葉が不自由な人を巻きこみにくい一面があって
物理的に言葉を操る能力が大衆より苦手な人はそれを埋めるのはなかなか難しい
サーカスの創作は芸という形で共創を行うので、そこをクリアーしやすい
言葉が不自由な人に、身体や音楽などの違った武器をあらかじめ持たせておくことが出来る
その、言葉とは違う形の包容力がサーカスの創作が持つ利点だと思う
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