とても美しい本に出合った
[amazonjs asin=”447230290X” locale=”JP” title=”夢みる科学”]ブログを始めてから、文章というものを書いていくことが、いかに難しいか
自分の教養やその時の心理状態なんかをいかに如実に反映してしまうものか痛感しているんだけど
今回紹介する本は、「科学」という言葉が入っている本の中では、あまりにも教養が高すぎて崇高で眩暈がしそうなくらい
いままで紹介した本の中では断トツでおすすめの本でした
夢みる科学
宇宙創成の理論研究者、佐治晴夫によるエッセイ集
元々新聞で連載されていたものらしく、だいたい見開き1ページで1題目になっていて、非常に読みやすい
宇宙に関する話や科学についての幅広い話、趣味のパイプオルガンの話、リベラルアーツ教育の話なんかを
ある種の哲学的な主張に向けて一つ一つ完結させていく
言葉の表現力=教養
同じように科学を題材にして哲学的な主張にまとめていく著者に福岡伸一がいると思うけど
[amazonjs asin=”4061498916″ locale=”JP” title=”生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)”]福岡伸一に比べて、表現する言葉が情緒豊かでコンパクトだ
豊富な慣用句や描写表現に様々な概念を内包することによって、科学的知識と哲学的主張を最短距離でつなぎ合わせていて
それがあまりにも格調高いので、まるで詩でも読んでいるような気分になってしまう
心地よい混沌
科学と音楽と哲学と教育とが、美しい表現をもって混沌と共存している文は「本当に恐れ入りました」という感じだ
脳と身体、今の人の中で(往々にして脳に)偏りがちな2つの要素が、バランスを保っている文は構造としても本当に美しい
般若心経や金子みすゞの世界に宇宙の美しさを見出していく哲学は
どこまでも包容力があってかつ優しい
超がつくほどおすすめです
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