養老孟司か平田オリザ、どちらかの著書で出てきたので
農学部っぽい本を読んだ
[amazonjs asin=”4041105129″ locale=”JP” title=”里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く (角川oneテーマ21)”]里山資本主義ー日本経済は「安心の原理」で動く
藻谷浩介 NHK広島取材班
里山で回り出した循環の事例
エネルギーや食べ物などの資源を「里山」という地域社会で回して
GDPにも現れない、大規模経済とも無縁な「里山資本主義」の実例を
製材会社のペレットや、オーストリアの新木質材料、はてはスマートシティ構想などから説明し
それにより、市場経済から分離した生活の保障を得るコトによって
日本全体を覆っている不安・不満・不信から解放される可能性を説く本
マネー資本主義と里山資本主義
この本では、マネー資本主義と里山資本主義が対比的に描かれている
「人口の増加、経済の成長」だけが日本が生き残る道であり
「成長こそが正義」だという主張に反旗を翻す主張は「成長の限界」のようなシステムダイナミクス派の主張と共通している
[amazonjs asin=”4478200017″ locale=”JP” title=”成長の限界―ローマ・クラブ「人類の危機」レポート”]ただ、成長の限界に比べると大分楽観的というか、急速な滅亡というシナリオは考慮していない
マネー資本主義で考えれば、日本は確実に衰退するだろうが
マネー資本主義にとらわれない、目に見えない価値を勘案すれば、豊かさはむしろ上がるかもしれない
「成長の限界」の中の最悪なシナリオは(成長が加速度的に増加して、ある時期に一気に谷底に落ちる)というもので
逆にあるべきシナリオは(管理された衰退を行うことで、徐々に持続可能な社会へと移行する)
というものだが、日本の場合はその後者のシナリオが進む土台が「里山資本主義」として出てきており
平田オリザでいうところの「下り坂をそろそろと下る」ことが痛みを伴いつつも出来るだろうという意見
[amazonjs asin=”4062883635″ locale=”JP” title=”下り坂をそろそろと下る (講談社現代新書)”]数値化しにくいモノをとらえる
これまで僕は結構、未来には否定的というか、終末論みたいのを持っているほうで
下り坂を転がり落ちて死ぬしかないと思っていたところがあったけど
ちょっと希望があるかも、と思わせてくれる本だった
マネー資本主義的には転がり落ちていても、里山資本主義的にはそろそろ降下っているかもしれない
成長の限界の研究グループの最新版である2052では
おそらく世代間の格差が今よりももっと明らかになってしまって、子供の世代から恨まれる時代になるようなことも書いてあって
僕がこのブログで「未来への努力」というカテゴリーを作って書いているのも
その時に言い訳するためってのがあるんだけど
マネー資本主義的な価値観での豊かさは残せなくても、数値で表しにくい価値観での豊かさは残せるかもしれない
moimoimoiでは、数値や論理に現れにくい価値観を2人から教えてもらえた気がするし
そういったモノを探していくために、創作パフォーマンスに取り組んでいるところが大いにあると思う
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