株式劇団マエカブ ハツカネズミと人間 感想

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こんにちは、四万十町在住パフォーマーの松葉川健一(本名山本健一)です。

 

少し前に友人が出演していた舞台「株式劇団マエカブ ハツカネズミと人間」を観劇しまして。

今回はその感想を書いてみたいと思います。

 

株式劇団マエカブとは

マエカブは高松市と坂出市を拠点に活動している香川の社会人劇団です。

社会人劇団は仕事をしながらの演劇を舞台にかけるので

基本的に自分たちでお金を出し合って、赤字状態でやっているのが普通なのですが

社会人劇団といってもそれでは持続性がなくなってしまう。

そこで、劇団の運営にもしっかりと力を割いて経営を行っていく意味を込めて

株式劇団マエカブという劇団名がつけられたそうです。

マエカブとの関わり

僕は自分自身は演劇はやりませんが、瀬戸内サーカスファクトリーのイベントに出演していた、マエカブの団員さんと出会い。

香川で舞台制作をやっているシアターデザインカンパニーがやってくれた制作講座で再開して、仲良くなったことで、

その団員さんを通じてマエカブにも興味がわきました。

なので、基本的にそれ以外の団員さんとは知り合いでもなんでもなくよく知りませんし

マエカブの作品の観劇は今回が初めてでした。

全体の感想としては・・・

そして、今回初めて春公演である「ハツカネズミと人間」を見たわけですが

正直なところ、あんまりおもしろくなかったです。

もともと学生演劇の青春オーラが大嫌いで、かつ感情移入系の演技はあんまり好きじゃないので

演劇アレルギーがあって、あんまり演劇は見なかったのですが。

最近は、平田オリザ先生への傾倒などもあって、ある程度アレルギーは克服していたのですが、

それを踏まえて、面白くなかったです。

感情移入方向の作と演出だけど・・

今回の演目である「ハツカネズミと人間」は最後に主人公の一人が死んでしまう

悲劇と見せかけたハッピーエンドみたいな作品なんで、

どちらかというと演出方法は感情移入系だったように思います。

言い換えると、舞台の客席を暗くしてお客さんをある程度無視してストーリーを進めていき

お客さんが、登場人物の誰かに感情移入することで感動を喚起するようなタイプだと思います。

しかし、作品の途中で登場人物の一人が客席の後ろから舞台へと登場する際に

「おい、おれの妻を見なかったか?」とお客さんに向かって話しかけるシーンがありました。

軽い話しかけですが、これで僕らはその劇の中の世界にいることになります。

それではいったい僕たち観客はどこにいるのでしょう?

基本的にそのシーンは農場の飯場という設定のシーンでしたが、その飯場に20人くらいの観客がいるとういことですか?

そうだとしたら、あまりにも舞台上の人たちはその大人数を無視しているのではないでしょうか?

眩暈もない

逆に、そういうお客さんと舞台上の人の感覚を入れ替えて

一種の眩暈を起こさせるような演出の作品というのも何度か見たことがありますが

今回の原作はストーリーがしっかりしていて、情動的で、僕は眩暈は起きなかったです。

単純に僕の観劇知識が乏しくて、僕の知らない文脈があってそれを知っていたらわかるという可能性もありますが、

僕の処理能力では今回の作と演出の理解はできなくて、かつ感覚的にもハマらなかったということだと思います。

演技について

作、演出はそんな感じでしたが

それぞれの団員さんの演技については、僕はとても感心いたしました。

当たり前なのかもしれませんが、みなさまそれぞれのキャラクターが完全に入っているようで

ここまで自然に演技できるようになりまで、どれくらい稽古をする必要があるんだろう?と考えました。

特に、「気は優しくて力持ち」みたいな人物をやっていた方が(まぁ僕の友人なのですが)いい感じでした。

そのキャラは気は優しくて力持ち、なだけでなく頭がとても悪くパニックにもなりやすい、子供のような性格のキャラでした。

それが、よくあるパターンでは「いい人なのに周りに振り回されてかわいそう」という感じになるのですが

ある種の知的障碍者のような感じを出していて

純粋というのは一方で怖いことであり、それそのものではいい人とか悪い人とかは言えない

というなかなか複雑な表情を作り出していて好印象でした。

僕の演劇アレルギーはどうなる?

あと、おばあさんの役をしている女性がびっくりするくらいはまっていました。

本当はいったいいくつくらいの人なんだろうか?

ただ、僕はやっぱりそういうアニメみたいにはまっている人は、はまっているほど現実感がなくなって見えるタイプなので

そういう人がいる舞台はあんまり好きになれません。

映画みたいに、完全にこちらからの相互作用がない作品であれば問題ないのですが、

同じ場所と時間を共有しているのに、そういう世界観をねっとりと説得されるような演技はやはり嫌悪感があって、

そういう演劇アレルギーはもしかしたら一生治らないのかもなぁ、なんて思った観劇でした。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

四万十町在住パフォーマー 大学卒業後製紙会社に勤めていたが、移住を機に地域に根を張るパフォーマーとして生きていくことを決意。 2018年現在地域おこし協力隊として働きながらパフォーマーとして生きていいく道を模索中。 詳しいプロフィールや出演依頼などはメニューから各項目を参照ください。