こんにちは、四万十川のほとりに住むサーカスアーティストの松葉川健一です
今回は2024年4/8-4/10に行われた瀬戸内サーカスファクトリーのソーシャルサーカス指導者養成 ワークショップに参加しました。
今回は、感じること・考えることがたくさんあったので、特に結論とかを求めずに散文を書いていこうと思います。よかったらお付き合いください。
ソーシャルサーカスってなんだろう?
2010年代後半東京オリンピックが近づくにつれて徐々に「ソーシャルサーカス」という言葉を聞くようになり
パラリンピックの開会式閉会式では、教えてもらったり共演したりしたこともあるサーカスアーティストが生涯のある出演者と共に出演したり
なんとなく近いような、でもよくわからない、という感じの立ち位置だったのですが
今回のワークショップで、ソーシャルサーカスこそが、僕がサーカスに感じている魅力の大きな部分だと気が付きました
僕がサーカスに感じている可能性、多様性を自然に尊重して、互いに強制をすることなく、提案のしあいで協力・共創しながら個性をのばしていけること
そのことを原動力に、社会の見逃されている個性をすくいあげてもっと輝かせていくこと
瀬戸内サーカスファクトリーと関わって、自分のチームを作って舞台作品を作っていくなかで、たくさんぶつかって、成長して、人との関わり方がかわって
僕がサーカスを通じて体験してきて、今自分のこどもにシェアして、四国のこどもにもぜひシェアしたいと思っていること、それがソーシャルサーカスの思想にすごく近いことを感じました
サーカスは、競技じゃなく表現なので、ひとりひとりがもっている個性・文化・体をいかして
とても競技としての強度が強いこともできるし、そうでないこともできる
今後どんどん人口が減っていく日本・四国で、たくさんの人がいて切磋琢磨しないと面白くない活動のオルタナティブとしてサーカスを育てようと思いました
AFCMD
AFCMD ダンス・ムーブメントにおける身体の機能分析
今回の講師PPCM(Le Plus Petit Cirque du Monde)の職業訓練プロジェクト・マネージャーカテリーナ・フローラはAFCMD認定講師でソーシャルサーカスの専門家
とこう書いていて自分にも字面からたくさんの情報は読み取れないんだけど
今回のワークでは、骨や筋肉のある部分の構造を絵を見てレクチャーしてから、その部分を感じるワークをして、次のその部分を動かしてみて感情や心の動き方を見てみる、というようなワークをしました
体の一部を感じて動かしてみるワークはサーカスではよく行われて、僕も何度も受けたことがありますがよくあるのは、「地面に沈み込むように」や「自分がぐにゃぐにゃのスライムになったように」のようなイメージを体に入れてみるワークです
対して今回は「背骨」や「横隔膜」など具体的な骨や筋肉、構造を、実際に外からその部分を手で触れたり、同じワークを受ける仲間と触れ合ったりしながら行うので
ぐっと具体的でイメージと感覚がつながりやすく、お互いの感覚をシェアしなくてもお互いをわかりあえるワークが多かったです
身体は1人1人違うし、骨も心も構造的な限界がある
身体が1人1人違う、というのは当たり前の話なのですが、体育の技術や競技と技術になるとみんなと同じようにできないと、評価が下がったり、仲間からの評価が下がったり、親も先生も不機嫌になってしまったり
でも、骨や筋肉の構造も1人1人少しずつ違うので、一般的にはできるけど、確実にこの人にはできない、という動きも存在していて、それを強制していくと身体を痛めてしまう
こどもの成長を考えても、一般的な発達の段階はすでに論文や本で示されていて、大人と同じようにやってもらいたくても、発達の段階的に確実にできないことも存在する
心も同じで、生活や文化、これまでの習慣や経験などから、確実にできないことが存在する
ソーシャルサーカス指導員はフランスの国家資格
ソーシャルサーカスの指導員は少し前に国家資格になったそうです。
それまでに、まずヨーロッパのネットワークでソーシャルサーカスの指導方法のコンセンサスがとられ、資料が作られ、それをもとに何年も実践を行って、資料や方法論を洗練させて
900時間程度のカリキュラムを修了することで国家資格(国定のディプロマ)が得られる状況を作り上げた、と
資格があることで、価値を認められる、価値を説明できる、仕事にできる
自分のしていること、素晴らしいと思っていることを社会に実装して、認められる状況を作っていく、というのは本当に大変で時間がかかることだけど、価値は限りなく大きい
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