前回最初に言ったように、いよいよ研修が実習メインになってきた
最初は「体位変換」
これは前回紹介した寝たきりによる褥瘡を防止したり
ベッドから車椅子へと相手を移動したりするときに使う基本の技術のようだ
その時に使うコツがなかなか面白かったのでつらつらと書いてみる
基本は相手にコンパクトになってもらう
はじめは仰臥位から側臥位への体位変換を実習した
これは簡単にいうと、ベッドに仰向けで寝ている(仰臥位)の相手を
よく寝返りを打った後になっている横寝の状態(側臥位)へと動かすことだ
このときにまず行うのが、相手の両手をツタンカーメンのようにクロスしてたたんでもらうことだ
こうしておくことで、横にごろんと転がってもらうことが一気にしやすくなる
そこから、片膝を曲げて立ててもらい、その膝を押すことで下半身を傾ける
両手をクロスしてコンパクトになっている身体は、これだけで驚くほど簡単に傾く
そこから、腰のあたりへ腕全体をあてて、目的の側臥位まで持っていく
隠れたコツは相手にやってもらうこと
この一連の体位変換をやるにあたって先生がことあるごとに強調したのが
「出来ることは相手にやってもらう」ことだ
介助にはあくまでもナナメ横から支えるような姿勢で望まなければならない
前回廃用症候群の記事を書いたが、介護者が被介護者の出来ることまで全て代わりにやってしまったら
結果的に被介護者のその能力を奪うような結果になってしまう
さらに、声を掛け合える関係を作っておくことで
被介護者の状況を正確に把握して、望む介護を実現できるため
技術的な介助能力の不足を補うことができるし
さらなる介護能力のステップへの気付きを得ることが出来るかもしれない
だから、上記の体位変換でも、ツタンカーメンのように手を丸めて押さえてもらうのは声をかけて出来るだけやってもらうし
膝を立てるのも、そちらの足が自由に動かせるのであれば、「こちらの足をもらえますか?」といって立ててもらう
(もちろんそちらの足に麻痺があるようなら、してもらってはいけないが・・)
ハードとソフトの融合が重要
だが、もし「相手に身体をコンパクトにしてもらう」というハードの部分を知らなければ元も子もない
基礎理論を知ったうえで、実際の状況に合わせた介助に持って行けるような
ハードとソフトの融合が介護においても重要になってくるようだ
それを人形での練習とかをなしで、実際の不自由がある人間の身体で実戦していかなければならないわけで
介護の勉強をしていく中でことあるごとに思っているのだけれど
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