少し自分の元々の専門のほうに戻った本を読んでみた
動的平衡 福岡伸一
[amazonjs asin=”4863240120″ locale=”JP” title=”動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか”]概要
2007年のベストセラー
「生物と無生物のあいだ」の著者、福岡伸一による生命に関するオムニバス
[amazonjs asin=”4061498916″ locale=”JP” tmpl=”Small” title=”生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)”]生物と無生物のあいだがウイルスの話に寄ったひとつなぎのお話だったのに比べて
動的平衡はもうちょっと範囲を広げて、ダイエットや病気などの
身近な例も取り上げてのオムニバス
人間機械論への抵抗
オムニバスではあるのだが、基本的に今の人に流れる、デカルトの「人間機械論」を否定することで論を進めることが多いように思った
同位体により標識を付けたアミノ酸をマウスに食べさせた実験が
そのアミノ酸がマウスの体の限られた一部になることなく、全身の様々な組織を構成するタンパク質になっていた例のように
生物の体は、常に入れ替わり続けている
その流れを意識せずに、機械的に作動するパーツを集めれば人間が出来るかといったら無理な話で
それを理解していないと、肌のつやを保てると信じて、コラーゲンを含む物質を大量摂取したりする羽目になる
その口から入ったコラーゲンは、一度ばらばらに分解されて、体に中で全く違う物質としてしか使われないのに
機械に使われるな
少し前、仲間の女の子と「生物と無生物のあいだ」の話をしていた時にその子が冗談で
生物と無生物は定義できないんですか?って流れから「世の中を0と1で表現できると思わないかい?」って言ってた
くだけた会話だったんだけど、僕はその時結構ゾッとしていた
そんなもの人間が滅びる前に出来るわけないだろうさ
科学が世の中について説明出来ている割合は微々たるモノだろう
その微々たるモノを利用して、自然にないモノを作り出して利用しているだけだ
工学やコンピューターや情報の発達で、大量のその自然にないモノに取り囲まれていても
元々のソースは自然からの恩恵でしかない
それを忘れかけてしまうというのは、なかなか恐ろしい事だと思う
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