対談本というものを、多分生まれてはじめて読んだ気がする
多分読んだ対談といえば、ジャパメタ雑誌の対談記事ぐらいだろう
センス・オブ・ワンダーを探して
生命のささやきに耳を澄ます
阿川佐和子 福岡伸一
[amazonjs asin=”4479392165″ locale=”JP” title=”センス・オブ・ワンダーを探して ~生命のささやきに耳を澄ます~”]
福岡伸一
「生物と無生物のあいだ」や「動的平衡」の著者
[amazonjs asin=”4061498916″ locale=”JP” title=”生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)”]分子生物学の学者でありながら、人間機械論に反旗を翻す哲学者でもあるハカセ
生物と無生物のあいだは特に顕著だけど
日本の理系学者とは思えないストーリーを感じさせる文が魅力的
僕はこの人の本は大好きで、いつかなんとかして作品に要素を入れてみたいとか思っている
この本では基本的に知識全般と講釈を担当していて
だいたい、阿川さんの問いに対して、生物系の知識を利用して答えていく
阿川佐和子
最近は「聞く力」で有名な作家、エッセイスト、インタビュアー
[amazonjs asin=”416660841X” locale=”JP” title=”聞く力―心をひらく35のヒント ((文春新書))”]むしろビートたけしのテレビタックルの司会者として知られている気がする
この人、なかなか年を食ってるんだけど、少女みたいな怖い物知らずな魅力に溢れている
ただ魅力的なだけじゃなくて、教養をたくさん身につけているので
テレビタックルでその教養と遠慮のなさで、ズバズバと司会をしていくのは見ていて爽快だ
この本でも、基本的には聞き役になっているんだけど
福岡さんの講釈に呼応して話されるエピソードは福岡さんの言いたいことを別方面から解説しているよう
時折入る自由な一言で、雰囲気が一気に阿川さんのふんわりした流れになっていく
センス・オブ・ワンダー
ネットで調べるとセンスオブワンダーって言葉には二種類の使い方があるらしく
1つはSF小説なんかでの用法で
SF小説なんかを読んだ時に、それまで築かれてきた世界観に対して、ちょっとしたきっかけでパラダイムシフトが起こる感覚のことを言うらしい
もう1つは僕も知っているほうで
レイチェルカーソンの著書からの感覚を言うモノだ
[amazonjs asin=”4105197029″ locale=”JP” title=”センス・オブ・ワンダー”]レイチェルカーソンは「沈黙の春」で環境問題を初めて書籍で著した人とされているんだけど
[amazonjs asin=”4102074015″ locale=”JP” title=”沈黙の春 (新潮文庫)”]この人が言うセンスオブワンダーは不思議さを感じ取る感性のことで
主に子供の時に自然の地物に触れたときに「こんな不思議なことがあるんだ!」って思うことが出来る感受性のこと
センスオブワンダーに戻って考える
主に生物の話題から、このセンスオブワンダーに立ち戻って考えてることの重要性が説かれる
福岡さんの著書では、基本的に動的平衡をメインに書いているから、少し通り一辺倒な印象を受けるけど
阿川さんがいて、二人の子供の頃の体験も掘り起こして語っていくから大分読みやすい
生物学者である福岡さんのほうから逆に村上春樹の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」の話題が出たり
[amazonjs asin=”410100157X” locale=”JP” title=”世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 上巻 (新潮文庫 む 5-4)”]逆に阿川さんから、今西錦司の話が振られたりする
[amazonjs asin=”4061340107″ locale=”JP” title=”生物の世界 (講談社文庫)”]対談の面白さとはこういうことかと思った
また、好きな人同士の対談本あったら読んでみようかなー
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