僕は2017現在まだ結婚すらしていないんだけど
もし、結婚して子供が出来たら絶対に見せたいアニメっていうのが結構あったりする
それらの作品は基本的に萌えとかエロとか僕が「このアニメ媚びてるなー」って思う要素が少なくて
かつ、道徳の教科書みたいな、正義観の偏りみたいのが薄い作品が多くて
まとめると、「童話的」とも言えるような気がしたので
自分の覚書の意味もあるし、作品そのものと一番好きなお話しを合わせて紹介してみる
プリンス&プリンセス
[amazonjs asin=”B000PGTGQI” locale=”JP” title=”プリンス&プリンセス DVD”]フランスのアニメ監督ミッシェルオスロが作った、1999年の影絵風アニメによる童話オムニバス
日本での販売はスタジオジブリが担当していることからもわかるように、宮崎駿と高畑勲はこのミッシェルオスロを敬愛しているとか
物語の設定を入れると、本人たちの服装を替えてくれて、演じていくことで物語を作れるパソコンみたいな装置を使って
中世ヨーロッパ風、古代エジプト風、はては江戸時代日本風の世界観の6つの童話が作られていく
藤城清治の世界を少し簡素にして立体感を持たせたような絵柄は非常に美しい
シンプルで、しかし、示唆に富んだ内容はまさに童話的で、絵柄とあいまって絵本が動いているようだ
「魔女」
中世ヨーロッパ風の世界観の中で
「忌まわしき魔女」を倒すために王様が「魔女の城を攻略したものをプリンセスの夫にする」とおふれを出す
力を持ったプリンスが、あるものは槌で、あるものは櫓で、あるものは大砲でと
それぞれの武器と兵力で魔女の城に挑むが、魔女の城の守りは固くてどれも跳ね返されてしまう
そんななか、兵力もない、武器も短剣しか持っていない若者がとった攻略法とは?
余計な深読み設定がないシンプルな世界観で、深いメッセージを語りかけてくる
キョロちゃん
[amazonjs asin=”B06WP5TNWT” locale=”JP” title=”キョロちゃん”] [amazonjs asin=”B00009WKZF” locale=”JP” title=”テレビアニメーション キョロちゃん DVD BOX”]森永チョコボールのキャラクター「キョロちゃん」が主人公のアニメ
船の難破でエンゼルアイランドという島にたどり着いたキョロちゃんと島の住人達とのほのぼの日常ストーリー
基本は、純粋で天然ボケが入っているキョロちゃんが繰り広げるドタバタギャグなんだけど
はやくも3話から、結果的に1期ごとに交代で町長と副町長を務めている2人による
新町民「キョロちゃん」の清き一票の奪い合いを面白おかしく揶揄する回
社会風刺的だったり、仕事哲学的だったり、童話的な要素がかなり強い
かわいい絵柄で、単純に笑ってしまう緊張と緩和で作られる世界観の中に、真面目な内容を含ませるストーリーは俊逸だと思う
「きらきら星の涙」
急に雨に降られたキョロちゃんたち仲良しグループ
雨宿りに入った不気味な屋敷に住んでいたのは、笑わないので有名なおばあさん「メアニーさん」
常にイライラしているようで朝起きたら「あぁなんて憂鬱な朝だ」、
自分で作ったごはんを食べて「あぁ、まずい」、服を干しながら「洗濯なんて大嫌いさ」
そんな偏屈なメアニーさんに興味を持ったキョロちゃんは毎日遊びに行って手伝いをするようになるのだが・・・
存在自体が「緊張と緩和」の象徴のような「キョロちゃんとメアニーさん」のやり取りから、社会風刺的なセリフが紡ぎ出される
キョロちゃん「メアニーさんは他の大人たちみたいにうそんこ笑いしないし、いっぱい怒ってかっこいいよ」
サイボーグクロちゃん
[amazonjs asin=”B002EHB0FG” locale=”JP” title=”サイボーグ クロちゃん(1) VHS”] [amazonjs asin=”B01J6Q9QOO” locale=”JP” title=”サイボーグクロちゃん シーズン1”]かつて、コミックボンボンが熱かった時代の看板漫画
サイボーグクロちゃんのアニメ版
一匹狼的で、でも命を救ってもらったじーさんばーさんへの恩を絶対に忘れない、熱いサイボーグ猫「クロちゃん」が
社会への責任を持たないでいい立場から、ガトリングガンを片手に不条理をぶち壊す
原作で会話のレベルがたちの悪い小学生だったのが、アニメになって緩和されているようで
「すげー!あの寸足らずのうすらハゲ、何者なんだ!」みたいなのがなくなっている
ただし、勢いとシュールで乗り切るギャグは健在
原作は後半になるにつれて、シングルファザーに虐待されている子供が出てきたり
どんどんハードになっていったけど、アニメはそこは飛ばして、ゆるゆるとしたギャグに終始した感じで
毒は控えめになっちゃってるけど、逆に言えば子供でも見やすいと思う
31話「ミーくん誕生のヒミツ」
クロちゃんをサイボーグにして世界征服をしようと画策していたんだけど
クロちゃんの制御に失敗して、敵対したり、仲間として戦ったりする「ドクターゴー」とそのサイボーグ猫第一号である「ミーくん」
そんな二人の出会いのお話
ゴーはロボット工学を研究する大学生だったのが、学費が払えず河原のホームレスに
自分の食べるものも見つからないのに、川で死にそうになっていた猫を助けて
その猫を「ミーくん」と名付けて、河原のゴミで作った家で共同生活を送っていく
善良なゴーがどうして世界征服を決意するまでになってしまったのか?
サイボーグクロちゃんの中でハードな部分を全面に出した最初の話じゃないかな
ゴー「神よー!なぜだー!俺たちが何をしたー!・・・・・そっちがその気だったら、お前とはもう縁を切ってやる!」
番外編 スカイクロラ
[amazonjs asin=”B001NAW2MK” locale=”JP” title=”スカイ・クロラ DVD”]攻殻機動隊を作った押井守監督が、2008年にイノセンス以来4年ぶりで作った映画
平和が達成されたが、代わりにショーとしての戦争が制度化されている世界で
自殺するか殺されるかしない限り永遠に歳を取らない若者「キルドレ」たちの日常を描く
同時期のアニメ監督である宮崎駿とは対照的に
子供に向けた映画、感情移入できる映画、を全く作ってこなかった押井守が
はじめて、「僕は今、若い人たちに伝えたいことがある」と明言して作った映画
「キルドレ」という存在を描くことで、現代の若者の心の中と、それに対する押井守の哲学を表現しているようだ
切ない感じのメインテーマに載せて、青春の苦味とでもいうところが描かれていて
童話的、ということでもないんだけど、子供に見せておきたい
アニメという騒々しい大げさな世界のはずなのに、徹底して無表情なキャラクターがリアルとメタ構造を示唆してくれる
アンパンマン
[amazonjs asin=”B0099JVK8O” locale=”JP” title=”それいけ! アンパンマン よみがえれ バナナ島DVD”]ご存じ国民的人気キャラクターであり、国民的人気アニメ
日本人の子供であれば、誰しも一度は通る道でありながら
「なんのために生まれて、何をして生きるのか、答えられないなんて、そんなのはいやだ」
というとんでもなく哲学的な歌詞のオープニングを持つアンパンマンは
戦前と戦後を生きて、天地がひっくり返る経験をしながら
「正義」とはいったいなんなんだ?という問いを持ち続けたやなせたかしの、日本への忘れ形見だろう
様々な要望に応えて生み出され続けた、ネーミングそのまんまなキャラクターのように
ただバイキンマンがやられていくストーリーたちの中にも
まるでウルトラセブンのように示唆的な後味の悪い話があったりする
「えいが それいけ!アンパンマン よみがえれ バナナ島」
2012年公開の映画
2011年の東日本大震災を受けて「復興」をテーマにした作品
バナナで成り立っている島「バナナ島」
アンパンマンがその島のお祭り「バナナ祭り」に招かれるのだが、行ってみるとバナナが枯れてしまっていたところからストーリーが始まる
アンパンマンは問題の解決を申し出るが、いじっぱりな女王「バンナ」はアンパンマンの申し出を断り
ばいきんまんと共に作戦を立てて、問題を解決しようと試みる
今回のばいきんまんは、アンパンマンにやられる悪役ではなくて
ばいきんまんなりのやり方で協力するバンナの仲間として描かれる
大災害という事件を前に、誰が正しくて誰が正しくないか?という紋切型な問題に終わらせずに
それぞれの考えの違いと「正義」の距離感を探っていく感じは、アンパンマンの映画の中でもピカ一におもしろい
なにより、僕の大好きな「ばいきんまん」大活躍しているので絶対に子供に見せたい
多面的にとらえる
これらの童話的な作品は、物事を多面的に捉える目を養ってくれると共に
相手を思いやる気持ちを、一つ高次元にしてくれると思う
あぁ、僕もいつかは子供を持つのかなぁ
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