リヒテとチームラボ

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「パフォーマンスの美学」2週目読書中

この本の中のフィードバック循環がチームラボの作品の要素と非常に似ているような気がして

着地するあてもなく書き始めてみる

消せないフィードバック循環

「パフォーマンスの美学」におけるフィードバック循環は

”お客さんからの反応がパフォーマーに影響を与える”ということだ

大道芸みたいにわかりやすく反応を求めるタイプのパフォーマンスに限らず

舞台で行う、古典的な演劇であっても、観客の雰囲気は役者さんに伝わるから

そこで生で演技をする限りは、それに反応しないことはできない

 

しかし、その雰囲気は時として邪魔になる

演劇が「動く絵画」または「見える小説」とでもいうような

文学テキストを観客に体験させることを主な目的にしているなら

観客からの反応によって、パフォーマーは影響されるべきではない

それこそ、絵画や小説のように常に同じモノを同じように提供するために、観客からの反応は邪魔なんだ

だからこそ、演劇の演出家たちは映画館のように観客席を暗くしたり、劇場のマナーを説明したりして、観客からの影響をなくそうとする

しかし、どんなに努力してもライブでやる限りはその影響は消せない

それで、それを利用しようとした舞台があったり

それこそがパフォーマンスの美学ではないか?というこの本みたいな考え方もある

チームラボ

チームラボといえば、最近有名になったデジタルアート集団というイメージ

最新のテクノロジーを駆使して作り上げられるアート作品は

見た目や世界観の真新しさと静謐さが目を引く

代表の猪子寿之さんは「やばい」が口癖で

「チームラボはとにかくやばいものを作る」なんて、インタビューで答えていたけど

この考え方は

「現代はインターネットの普及で、言語化できるコンテンツはすぐに共有されてその価値を失ってしまう

イイことはわかるけど、言語化することが出来ない「やばい」ものこそ価値を失わない」

という、非常に理論的な理由が元になっている

チームラボの「やばい」を言語化することはできないんだけど

その中の一つの側面はパフォーマンスの美学の「フィードバック循環」で説明できる気がする

参加型アート作品のフィードバック循環

チームラボの作品は参加型の作品が多い

普通の絵画や彫刻のようにただ見るだけではなく、

例えば、大きな画面を使って、子供が書いた魚がリアルタイムで出現して動きだす水族館

触った瞬間にどんどん色が伝番していくボールなど

テクノロジーを活用して、必ず観客が作品に影響を与える手段が入っている

観客が行動して変化させたアート作品から、再び観客が感動などの影響を受けて、他の観客からの影響も受けてっていう

アートと観客、観客と観客の間にあるやり取りは

パフォーマンスの美学の「フィードバック循環」に非常によく似ている

パフォーマーのいないパフォーマンス?

パフォーマンスの美学では、観客とパフォーマーの間のフィードバック循環こそ

パフォーマンスにおける美学の妙のような書き方がなされている

チームラボの作品は、実際に対峙するパフォーマーは存在しないけど

ある種、作品自体がテクノロジーを使ってパフォーマーの代わりに影響を受けて

観客との間にフィードバック循環を起こしていて、それが魅力になっているように感じる

リヒテはチームラボの作品にふれたらなんというだろう?

パフォーマンスの美学の著者のエリカ・フィッシャー=リヒテは

もともと演劇をメインの対象にしていた研究者で

パフォーマンスの美学で引用されるパフォーマンスはどれもこの上なくアナログなモノである

そのアナログなモノから出発して、言語化しにくパフォーマンスっていうものをどこまでも言語化しようと研究したリヒテから見て

デジタルな工学的なモノから出発して、言語化できないモノを求めるうちにパフォーマンス的なモノを生み出しているチームラボの作品はどんな風に見えるんだろう

リヒテは「パフォーマンス的転回」として、諸芸術がパフォーマンス的なものに変わっていった時代のことを指摘しているけど

パフォーマー不在のテクノロジーによるフィードバック循環をどう解釈するんだろうか

 

ネットの世界も信じられないくらい広大だけど

パフォーマンスの世界も信じられないくらい深淵だ

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ABOUTこの記事をかいた人

四万十町在住パフォーマー 大学卒業後製紙会社に勤めていたが、移住を機に地域に根を張るパフォーマーとして生きていくことを決意。 2018年現在地域おこし協力隊として働きながらパフォーマーとして生きていいく道を模索中。 詳しいプロフィールや出演依頼などはメニューから各項目を参照ください。